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戻ったのだ ついに『とがおい』は在るべき世界へと戻ったのだ これで全ての事象は元に戻る 在るべき戦、在るべき犠牲、在るべき平穏 守り手は今、守るべき主の元へと帰ったのだ 其の弐・拾われ子〜藍紫の童〜 少女は一人、森を、谷を、山を疾駆する。 唯ひたすらに足を動かし、無心で獣道を突き進む。 少女はこの場所が何処だか知らない。 けれど、此処がどんな世界なのかはよく知っていた。 ―――何せ、己が生まれた世界なのだから。 少女の内にはやっと帰ってこれたという歓喜と、主の安否の不明という不安。そしてほんの小さな蟠りとがぐるぐると渦を巻き、気持ちの整理がつかないでいるのが今の現状。 しかし少女は、そんな事は後回しでいいという風に、首を数度横に振り、走る速度を更に上げ、またひたすらに走り続ける。 全ては唯一無二の、我が敬愛する主が為に―――― †・†・† ―――甲斐――― 此処は甲斐。『甲斐の虎』武田信玄が治める國。 武田信玄率いる武田軍は、他国でも強豪と謳われるほどの強国。 其の中で武田信玄が信頼を寄せる部下の一人。最も名の通った武将どいえば、『紅蓮の鬼』・『若き虎』こと真田幸村であろう。 そんな武田軍NO.2の幸村さんは、只今茶屋にて団子を笑顔で頬張っている所にございます(笑) まるで一面の花畑の中で、蝶々を追いかけてるような場面のBGMが流れそうなほど和やかに。傍に近寄っただけでメルヘン思考を強制的に引き起こすであろう、そんな雰囲気を醸し出しております。はい。 戦を駆け巡っている時とは全くのエライ違いである。 常連客なのか、茶屋のおばさんが気安く話しかけていたり、団子やお茶をおまけしている光景が当然の事のように展開されている。結構生活は裕福なのだからおまけなぞしなくとも大丈夫だとも思うが、まぁあえてそこは保留にしておこう。 それは幸村が団子を食べ終え、傍に置かれたお茶を美味そうな音を立てて啜っている時の事だった。 ―――だから・・・言ったんだ――― 「・・・・?・・・・」 何処からか子供の声が聞こえたかと思い、腰を浮かせて辺りを見渡す―――が、それらしい影は見当たらない。 気のせいかと思い、また座り直そうとすると ―――けれど、僕等は・・・・・ないよ?――― また子供の声。けれど先程聞いた声と質感が違う気がする。 ―――・・・・どうする?・・・食べて・・・?――― また違う声。今度は女子の声だった。 「(・・・誰かが、腹を空かせておるのだろうか・・・?)」 そう一方的に解釈した幸村は茶屋のおばさんに、持ち帰り用にと団子を三十本程頼んだ。腹を空かせているだろう子供の為とはいえ、いくらなんでも買い過ぎである。 しかし幸村の脳内辞書に『甘味の買い過ぎには注意』、何て言葉は存在しない。その所為で彼の保護者を務める『通称:武田軍のおかん』こと猿飛佐助は、苦労人の忍びとして全国に名が通ってしまったのだ。 誰だって仕えている主が一度に四十も五十もの大量の団子を買ってきて、それを二日と経たない内に消してしまったなら、その主の健康に不安を持つのは当たり前の事だろう。実際、真田幸村はやってのけてしまった。 何時の頃からか城下町の茶屋及び甘味処には、『幸村が一度に買う甘味の量を注意して欲しい』という内容の佐助直筆の手紙が回り始めたそうな。 幸村は声のする方する方へとどんどん町の中心から離れて行き、茂みの中に足を踏み入れる。 そして・・・・躓いた。 それはもう見事に、ビタン!と。 「こ、こんな情けない姿、お館様にだけは見られたくないでござるぅ〜〜」 んな事を呟きながら、一体何に自分は躓いたのかを確認するため振り返ってみると・・。 其処には藍紫の髪を持った子供が横たわっていた。 |
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弐話目UP。とりあえずゆっきーを初めに出してみました。 ゆっきー好きなんですよ、自分。 幸村「む、有難うでござる(ニパ)」 こうゆう純なところが良いんですよ。 聞いてて恥ずかしい話とかしなさそうだし。 幸村「そういえば御主、某友人に某に『似ている』と言われたそうだな」 ・・・・・・うん・・・・・・(超遠い目。 修学旅行中にね、すごく恥ずかしかった事があったんだ・・・・。 幸村「・・・・・聞かなかった事にするでござる・・・・・」 (最終加筆修正:08.9.6) |